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JPC Online 4th Held Report

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PennantPark Investment Advisors
About the attractiveness and elasticity of the "US Middle Market Direct Lending Strategy" and investment opportunities after corona

2022 年度上半期は、「収束が見えない国際情勢(コロナ・ロシアのウクライナ侵攻・インンフレ(金利上昇)・米中対立)」に加え、「安倍元首相暗殺で脚光を浴びる統一教会と政治家との癒着、混乱する国内政治」とますます不透明感が増しています。

その中で、経済専門家の共通認識は、「永年続いたデフレ終息とインフレ時代へのパラダイムシフト」です。FRB も異例の 0.75%の利上げを 3 回継続し今後も利上げは続くとの見方、これを受け株式市場は世界的不況到来も予測し大幅下落し、債券金利も上昇しています。

9月21日の JPC オンラインでは、「トレード・ファイナンスを年金資産に取入れる意義」というテーマでFederated Hermes 社から講演頂きました。(内容については、同社からの要約をご覧ください)

 

<主催者からの講演会社および講演内容のご紹介>

 

同社は日本では余り知られていないと無いと思いますが、1955 年設立の米国ピッツバーグの Federated 社が、British Telecom 年金が源で 1983 年設立の英国の Hermes 社を 2018 年に合併して出来た NY 市場上場の資産運用会社です。NY ではなくピッツバーグ拠点の会社が、「責任投資」で歴史がある Hermes 社を合併するダイナミックな展開に驚き、資産運用業界の合従連衡は継続している事を改めて感じました。 尚、同社日本法人は本年、金融庁から投資助言業の免許を取得し本格的な営業活動を開始されています。

 

「トレード・ファイナンス(貿易金融)」という日常経済活動に対応する金融は、従来、「銀行を中心とする金融業」が独占していましたが、2010 年代の銀行業への資本規制強化もあり、「資産運用会社の投資対象」となったという事です。講演後の質疑でも、「銀行が手放す投資対象はリスクが大きいのでは?」との質問がありましたが、「銀行が自己投資の一部のみを放棄し、銀行も引続き投資を継続する仕組み、銀行と資産運用会社はパートナー」との話でした。

 

米中対立等で知的財産での貿易制限は拡大するかもしれないものの、WTO は、食糧やエネルギーなどの生活必需品への安定的かつ公平なアクセスを確保するために、貿易の拡大が必要であると考えおり、世界貿易はGDP の倍速で成長し、2030 年には1京 1000 億ドル(100 兆円)にまで拡大するという予測で、トレード・ファイナンスの投資対象は十分にあるとのことでした。

 

賃金上昇率、GDP 成長率等の推移からも、日本は世界各国から隔離されている気がしますが、9 月 23 日の日経新聞記事でも、「マイナス金利日本だけ」との見出しがありました。年金は長期投資ですが、収益の安定化の為には、短期資産も必要であり、その部分を超低金利でも我慢するか、それとも収益積上げを図るのか検討してみるのは必要と思います。

 

インフレ、金利上昇は、当面継続する見通しは一般的であり、余り疑心暗鬼にならずに、日本での常識にとらわれずに、海外の投資対象が日本でも取入れられないか?皆様の年金基金内でも是非議論して頂ければと思います。

 

 

 

<講演内容を次ページ以降に、纏めました。一読頂き、アンケートにもお答え頂ければ幸いです>

Ⅰ.講演会社及び講演者

 

1) 講演会社:Federated Hermes 社

 

「責任ある投資こそが長期的に富を生み出す最善の方法である」という強い信念を指針とし、株式・債券・オルタナティブ資産への投資・運用ならびにエンゲージメントを始めとするスチュワードシップ・サービスを提供する大手グローバル運用会社。ピッツバーグが本社である Federated 社がロンドンに本社があったHermes 社を2018年に買収し、Federated Hermes という単一のグローバルブランドのもとで 2 つの有力アクティブ運用会社が事業を展開。2022年3月末での運用資産額は約85兆円、エンゲージメント等の助言対象資産は約216兆円

 

2)講演者

  • 来日 スピーカー : イーハブ・サリブ氏

シニアバイスプレジデント/シニアポートフォリオマネジャー/国際債券グループ責任者

トレード・ファイナンスを含む、国際債券の商品戦略、ポートフォリオマネジメント、
リサーチの責任者。Federated Hermes のグローバル債券および外国為替証券、シニアトレーダー、
UBS Brinson のアソシエイトディレクター、シニアアナリスト/トレーダー、Bank of New York

およびBankers Trust Company のさまざまな役職。
ニューヨーク州立大学ストーニーブルック校で学士号を取得

 

 

  • 通訳 兼 司会 : 堀井 渉氏

Federated Hermes Japan 在日代表

2021 年 12 月に日本オフィス立ち上げのためFederated Hermes Japan 株式会社に入社。
入社以前は、ナティクシス・インベストメント・マネジャーズにて約 8 年、公的/企業年金の営業。
1998 年に三井信
託銀行(現:三井住友信託銀行)に入社。米国 Duke 大学にMBA 留学。
帰国後は、投資顧問部、総
合資金部に所属。
2001年より日興リサーチセンターで年金コンサルタント、2003 年にアライアンス・
バーンスタインにて公的/企業年金の営業、2012 年からPyramis Global Asset Management
(米国フィデリティの機関投資家専門部隊)の日本法人立ち上げに従事。1988年 慶応義塾大学商学部卒 1994

年Duke 大学(Fuqua School of Business)MBA。CFA 協会 認定証券アナリスト/公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員

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Ⅱ.まとめ     (トレード・ファイナンスを年金資産に取り入れる意義)

 

1.トレード・ファイナンスとは

(A) 貿易対象の取扱商品を担保とした貿易取引への融資

(B) リスク/リターンが異なる様々な形態

 

2.トレード・ファイナンスの市場規模

(A) 世界貿易額は 2030 年までに約 1 京 1000 兆円を超える見通し

(B) トレード・ファイナンスの規模は、毎年約 150 兆円と予測

 

3.何故、今、トレード・ファイナンスなのか?

(A)インフレ/金利上昇+ドル円ヘッジコスト上昇への対応                                                                                => 短いデュレーション+変動金利商品

(B)高まる株式のボラティリティへの対応                                                                               => 低いボラティリティ/安定したリターン

(C)株式と債券の同時下落への対応           => 株や債券との低相関

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